市長の災害への姿勢問われる
台風被害の報告で臨時市議会
10月30日、臨時議会が開かれました。台風21号への対応状況の報告を受け6人が質疑しました。
22日から23日までの市内雨量は、一番高い地点で福原備蓄庫の最大時間雨量38・5?、累計雨量260・5?。
人的被害はなかったものの、大字寺尾地域などで床上浸水236件、床下浸水296件、合計532件。道路冠水44件。寺尾小学校、寺尾中学校では、床上浸水等の被害が発生。
土砂災害警戒地域や小畔川、九十川の増水に対して其々、対象地域への避難準備情報が発令され、22日は6ヶ所の避難所に65名が避難しました。
寺尾地域に避難情報なし
多くの浸水被害があった寺尾地域には、避難準備情報は出されませんでした。
寺尾地区の水害の原因は、台風により新河岸川の水位が急上昇したことから市街地への逆流防止のため、川越江川都市下水路のゲートを閉鎖し、その後も新河岸川の水位が高くゲートを開けられず、市街地側の内水が上昇したとの考えが示されました。
何故、寺尾地区に避難準備情報が発令されなかったのかについて問われた市は、新河岸川上昇による避難勧告準備情報は、朝霞市宮戸橋観測所の水位が達していなかったためと答えました。
災害時に市長は何をしていたのか
政晴会の議員からは、選挙の投開票日と重なったことで、台風への対応に影響を与えたのではないか?22日夜10時頃市長はどこにいたのか問われ、「影響はなかった」「その時間、国会議員の事務所にいた」と答えました。
日本共産党からは、川口ともこ議員が質疑にたち、22日午後1時に第1回災害対応部長会議が行われた時と夜22時38分洪水警報が発令されたころ、市長はどこにいたのか聞くと、「午後1時ころは親戚の法事に」「夜は自宅で台風情報をテレビで見ていた」と答えました。
超大型台風が上陸し注意報や警報も発令されていたにも関わらず最悪の自体を想定した対応はなされたのか。なぜ、災害対策本部を設置しなかったのか市長に問うと、「河川の氾濫危険水域には対応していた。内水への情報は来なかった。今から思うと災害対策本部を設置していれば速やかに対応できた」と答弁。
責任回避と住民の苦難に無神経な姿を露呈
寺尾に住む市民からは、夜中2時に土嚢を持って来てほしいと市に電話した。1時間たっても来ないため切迫した気持ちで3時に電話し、道路冠水で持っていけないと市に言われ食い下がると朝5時なら持って行けると言われたやりとりを紹介。同議員は、風水害への対応で地域防災計画には、市長の判断で設置できる。他市でも災害対策本部設置など対応がなされた。市長は、情報が来ないと言うが、市民は市に情報を入れている。市役所に来て自ら情報を収集する姿勢が必要ではなかったか。国会議員の事務所から自宅に帰ったのは不適切ではないか問いました。市長は、すぐに市役所に行けるから「不適切ではない」などと答えました。
市民の生命、財産を守るべき自治体の責任者の姿勢が問われたやりとりでした。