安心して預けられる保育とは
池浜あけみ議員の一般質問
3月1日現在、市内の保育園への入所状況は、公立保育園20園、民間保育園28園、認定子ども園1園、小規模保育施設15園に、合計4356人の児童の入所となっていますが、申込者数は100件ほど募集枠を上回っています。
10日の一般質問で池浜あけみ議員は、待機児童解消のための国の規制緩和策について、市はどのように考えているのか聞きました。 子ども未来部長は、国は乳児室やほふく室の面積基準や保育士の配置基準を引き下げ、児童の受け入れを増やすよう示しているが、市は今まで通り、国より手厚い市独自の基準を守り、保育の質を確保すると答えました。
さらに、保育の質を保つための国及び他市などの保育士確保策を聞くと、国は平成29年度から技能・経験に応じた処遇改善や潜在保育士の再就職継続支援、宿舎借り上げの費用の支援などを実施。他市では給与や期末手当への上乗せや保育士をめざす学生への修学資金貸し付け、県では29年度、離職率を減らすためのセミナー開催や潜在保育士への就職準備金の支給、未就学児を持つ潜在保育士に保育料を無利子で貸し出すなど予定していると答えました。
正規と臨時保育士の待遇差は歴然
市の公立保育園の保育士の正規職員と臨時職員の労働条件の違いについて聞くと、臨時保育士には病気休暇、介護休暇、育児休業は無く、正規に90日の範囲で付与されている病気休暇に対し、臨時保育士には特別休暇として2日の範囲内で付与していると答えました。
さらに、採用後1年目と5年目の正規の給与と臨時保育士の賃金の違いを聞くと、短大卒の例で正規保育士は1年目が16万千700円5年目は19万8千700円。臨時保育士は月額で1年目が17万640円、5年目が17万6千960円と答えました。正規は3万7千円の昇給があるのに臨時はわずか6320円です。
臨時といえども同じ保育士としての資格を持ち、正規職員と一緒に研修を受け、会議にも出席し、同じ仕事をしています。それなのに待遇の差は大きく、さらに年数を加えるほど開いていくのには道理がありません。病気や急な欠員の代配、早出や遅番も引き受ける事が多く、体力的にもぎりぎりとの声も聴きます。
自治体の責務は
子どもを安心して預けられる保育について市の考えを聞きました。
子ども未来部長は、保育園は保育を必要とする子だけでなく孤立しがちな親子を温かく受け入れ、生きる力を培う生活の場として期待される。保育需要を満たす保育士の確保が必須であり、安全で安心して過ごせる基準・条件を整備し、きめ細やかな保育サービスを実施する事は自治体の責務であると答えました。
今後の臨時保育士の勤務条件の改善について問うと、総務部長は、他の地方公共団体や民間との均衡を失しないように対処すると答えるにとどまりました。
安心して預けられる保育とは、部屋の面積や保育士の配置基準を確保するだけでなく保育士の処遇を厚くし、正規職員の数を増やす事こそが必要だと指摘しました。