国保の都道府県化で負担増どうなる?
川口ともこ議員の一般質問
市の国保は2018年4月から埼玉県に統合されようとしています。赤字補填の法定外繰入れが認められない場合、国保税が引きあがることも想定されることから、川口議員は9月議会で「住民の命守る国民健康保険制度を」と題する一般質問を行ないました。
国保の都道府県化に伴う市民への影響を聞くと保健医療部長は、来年1月をめどに方向性が示される予定です。現時点で具体的な影響を申し上げるのは難しいと答弁しました。
市民1人当たりの法定外繰り入れは、平成27年度1万6319円で40市中高いほうから21番目でした。
10万円の負担増
同議員が国保税と協会健保の保険料の比較と滞納件数を聞くと、年収3百万円の40歳夫婦と子ども2人の場合、協会健保は年17万9244円、市国保は27万8600円。単身世帯の協会健保は17万9244円、市国保は21万1100円となる。平成27年度の滞納件数は3万6664件、滞納額は38億2317万円余、差押件数は948件(平成21年度から4倍)と答弁。
軽減措置の導入を
川口議員は、夫が病気で子2人を育てながら働いている母親の例をあげ、所得が同じなのに国保加入の場合、協会健保より10万円も多く負担している。少子化対策のためにも多子軽減の導入ができないか質問しました。同部長は、子育て支援の観点から子どもに関わる国民健康保険税の軽減措置の導入について、全国市長会を初め地方から国への提言が行なわれている。市としても国の動向を注視したい、などと答えました。
同議員は、差押948件のうち一番多い債権が預金631件であり、この中には小売業や建設業などの個人事業主の方がいて、売り上げや債権回収などで下請や従業員の給与、家族を養う生活費になることから預金だからといって口座を差し押さえていいはずはない。滞納者の8割以上は所得2百万円未満であり、差押については、滞納者保護制度の適切な対応と福祉などの連携も強めるべきだと指摘しました。
負担増どう抑えるのか
さらに、国保の都道府県化のガイドライン案では市が赤字補填などの法定外繰り入れをすべきでないとする一方で禁止事項ではないとしていることなどをあげ、国保税などの負担増をどのように抑えていくのか市長に考えをただしました。市長は、被保険者に対するこれ以上の負担軽減の取り組みについても市町村単位では、財源の面を含め大変厳しい状況。国保財政の基盤を安定させ、可能な限り税負担の増加とならないよう努めるとなど答弁しました。
川合市長の2期7年間で市国保税の賦課限度額は、60万円から85万円へと25万円引きあがり中間所得者世帯の負担が増えています。