人権の観点からLGBTの取組みを
川口ともこ議員の一般質問
日本共産党川越議員団は、市内在住のトランスジェンダーの方から切実な訴えを聞き、6月市議会で「LGBTの人権について」と題する一般質問をしました。
誰にも相談できず、悩み苦しんでいる性的少数者の人たちがいます。
性別記載なし347件
市は、性的少数者の人権にどのような取組みをしてきたのか聞きました。
市民部長は、「平成28年12月の調査によると性別記載欄のないものは、申請書類635件に対し54%の347件。LGBTの情報提供については、男女共同参画課の窓口等で、様々な情報や県と弁護士会で行っている相談窓口の案内を配布。ホームページや広報での相談窓口の紹介をしている」と答えました。
川口議員は、新規事業や制度の見直しにより、性別記載欄が入ることがあり、定期的に不必要な記載欄をなくすため各課に通知をするよう求めました。また、女性と男性で相談窓口が違うことで性的少数者がストレスを感じることから、市にワンストップで対応できる窓口設置の考えを聞きました。
市は「人権尊重の観点から十分な配慮が必要。相談される方の負担をできるだけ軽減できるよう相談体制の整備に努めたい」と答弁。
LGBTの研修を
実際に、県内の小学校に、性同一性障害の子どもがいるクラスで、性的少数者を差別するような発言をし、本人を傷つける行為が発生しました。また、職場内で上司に性的マイノリティーであることを伝え、対応を相談していたところ、会社から嫌がらせをうけ、自殺にまで至るケースを紹介し、学校の先生や市の職員にLGBT研修を位置づけていくこと、さらに、事業者に対しても同様に意識啓発を行い、LGBTに対する適切な理解と対応を求めました。
学校総務部長は、「男女平等教育について校長の講話を通し、性的少数者についての理解と意識啓発を図った。今後も研修のあり方を工夫する」と答弁。
市民部長は、「職員への正しい理解を促進するため、職員研修に組み込むことを検討したい。事業者の意識啓発も年一回の企業啓発研修会で、性的少数者が差別されず働ける職場づくりの啓発について検討したい」等と答弁しました。
性自認、性の多様性認めあう社会を
いま、性的少数者が自ら、社会の中にある偏見や差別をなくしたいと声を上げはじめています。2015年4月に施行された、渋谷区の通称パートナーシップ条例は、同性同士の結婚について独自の証明書を出す施策です。前文には、全ての人が、性別等にとらわれず1人の人間としてその個性と能力を十分に発揮し、社会的責任を分かち合い、ともにあらゆる分野に参画できる社会の実現が書かれています。性の多様性の尊重は川越市男女共同参画基本条例に盛り込むべきではないでしょうか。
国際オリンピック委員会は、2014年の総会でオリンピック憲章に性的指向による差別禁止を盛り込むことを決議しました。川口議員は、川越でも2020五輪大会ゴルフ競技にあわせ、性の多様性を尊重する都市宣言をしてはどうかと提案しました。市も性の多様性や人権を尊重した取組みを検討し、宣言についても研究したいとのことです。