三つ葉水耕栽培を視察
日本共産党市議団は「川越市内で大規模に施設園芸をしているところがある」という情報を聞き、4月11日午前11時より三つ葉を栽培出荷している金子園芸を訪ねました。出迎えてくれた金子社長に案内されたのは、朝採りの三つ葉を整え水洗い脱水後、市場等に出荷作業を行っている工場でした。総勢33名を雇用し、手作業で進められていました。試行錯誤の結果、社長自ら自動車の部品を改良し作った脱水機は、ちょうど大量の三つ葉ケースがすっぽり入る大きさに加工され作業がスムーズに進められるように作られたものです。
大きく育てる秘訣
その後、ハウスの中で三つ葉がどのように大きくなるのか見学。水で湿らした専用のスポンジの上にたねをまき発芽させ、出荷するまでには2か月から3か月かかるといいます。発芽し約2週間経つと別の施設へ移動させ、カットしたスポンジをパレットに移し、三つ葉が成長するにつれ間隔の大きいパレットに移しかえる作業が行われます。私たちが視察した時、ちょうど間隔の小さいパレットから大きいパレットに機械で移し替える作業を見ることが出来ました。水耕栽培という利点を生かし施設を歩き回らなくても、ひもを引っ張るだけでパレットが施設中央の通路に集まってくる様子に圧巻する場面も。いかに初期投資にお金のかかる施設を最大限利用し、より質の高い作物を効率的により多く生産するための知恵と工夫が凝らされていることに驚かされました。もちろん、施設内部の気温や水温、液肥などはコンピューターの自動調節となっており、真夏の暑いときに日よけカーテンを引いたり冷たい水を循環させたりしています。この日は、日中気温が高くなり、時折施設上部の窓が開いたり、強い風が吹くと閉まったりする音が聞こえてきました。
5カ所6000坪のハウス
金子さんのところでは、こうした施設を自身の農地に5か所つくり規模は6000坪といいます。おいしい三つ葉の食べ方はおひたしや味噌汁、ラーメンにもあうそうです。市への要望を訪ねると農業用施設の固定資産税を軽減してほしいとのこと。機械などの減価償却資産などにも一律税金がかかっているのは納得いかないというのは様々な方からも声を聞きます。
現在は、後を継ぐ二人の息子さんに三つ葉栽培を教えているそうです。成功の裏では様々な困難もあったと思いますが、まさに理想的な施設園芸をされている現場から大いに学ぶものがありました。
市議会議員 川口ともこ