なぜ市長は答えないのか?
背景に公契約への消極的な姿勢
今回の問題の根本には、12年9月に議会が提案した公契約条例をめぐる問題があります。建設業者の団体等から強い反対の声があることなども考慮して、中立な立場から議論をやり直そうと、13年6月市議会で市長が公共調達審議会を設置することを提案したため、議会は条例案を取り下げていました。11月から同審議会がはじまり、本格的な議論はこれからという大事な時期にあります。
石川智明議員(プロジェクト川越21)は、「市長の政治姿勢と公契約条例について」と題する一般質問で、連合が主催する近隣市長などを招いての懇談会で川合市長が行った発言が中立性を欠いていることを指摘しました。
議員の質問に答弁拒否
同議員の質問によると、川合市長は同懇談会で、議会が市長に相談もなく公契約条例を提案したことを批判し、自分は公契約条例には「消極」と発言したと指摘されています。
同議員は、公契約条例に対する市の立場と、議会が条例を提案した手続きについて質しました。総務部長は、審議会が開かれるため「中立」の立場でのぞむ、議会が条例を上程した手続きについては「問題ない」と答弁しました。さらに同議員は、市長が懇談会で発言した内容と部長の答弁は食い違うとして質しましたが、部長はこれに対する答弁を避けたことから、質問に対する答弁を行っていないとして議会は一般質問を中断し休憩に入りました。その後、市長側との答弁の調整が断続的に行われましたが、真摯に答弁する姿勢は示されませんでした。
中立の立場を逸脱する市長の政治姿勢
今後、審議会で議論が行われるなか、市長が市内外で消極的な発言を安易にすることは、正常な審議会運営を妨げるものであり許されません。同時に、この懇談会は近隣の首長が一堂に会するものであり、市長の姿勢は他自治体の公契約条例の行方を左右しかねないことから極めて重い問題となっています。
4年の任期で議員は最大でも16回しか一般質問は行えず、これを妨げた市長の責任は重く、現状では3月の市議会が正常に行える目途は全くついていません。年度末であり、予算審議を考慮するなら市民生活に与える影響は図りしれません。