indexに戻る

川口ともこ

公契約条例の制定を!
川口ともこ議員の一般質問

 川口議員は、3月議会で「公正な経済社会をつくるために公契約条例の制定を」と一般質問しました。
 公契約条例は、1992年野田市議会ではじめて取り上げられました。ILO条約の批准を国に求める運動があり、この条約の精神に基づき契約の受注者に一定水準の労働条件を求めたのが最初です。

官製ワーキングプアを是正せよ

 いま、公共工事や業務委託で働く労働者の賃金の低さが問題となり、低下に歯止めがかかりません。しかも、重層的な下請け構造により下請けを重ねるほど賃金が削られます。市が発注する際に労賃を見積もりするときの指針となる設計労務単価の賃金も末端の労働者に支払われていない状況があります。このピンハネ状況は税金の使われ方として問題です。また、適正な賃金が支払われない状況は、公共工事などの品質の確保、働く貧困層の増大もあり経済への影響が懸念されるが市はどのように考えるのか聞きました。
 総務部長は、本市は、最低制限価格制度により不当な低価格入札に対して歯止めをかけ事業者の適切な利益の確保に努めている。また、入札参加者の遵守事項と労務単価を記載し、下請負人に対しても請負者が適正な賃金を支払うよう求めている。ご指摘のようなことがないよう努めると答弁しました。

下請負者の賃金は確保されず

 川越市で最低制限価格を下回り無効になった工事の割合は、H20年度が0・84%(11札)だったものがH22年度には19・69%(325札)に増加。落札率はH20年度92・53%からH22年度は85・44%にまで低下している事がわかりました。
 川口議員は、埼玉土建一般労働組合が毎年公共工事の労働者の賃金調査をしている中で常用の方が2000年に1万6020円が2011年に1万3487円。一人親方で2000年に1万8507円から2011年に1万6032円へ下がり続けている状況を示し、労働者の生活実態に見合わず公共工事の下請けで働く労働者が生活保護を受けるまで追い詰められている状況を訴えました。川越市が最低制限価格制度を設けていることが必ずしも下請け労働者の適正な賃金の支払いを義務付けたものにはならず守られていません。公契約条例を制定した野田市では、2010年度890万円の予算で官製ワーキングプアを解消できたといいます。このような状況は、地域経済や近隣の自治体にもよい影響を与えるものではないかとただしました。

地域経済の活性化に一定の効果あり

 総務部長は、業務に従事する人の適正な賃金、労働条件の確保が図られる。このことにより、従事者の生活の安定、公共工事、公共サービスの質の向上、地域経済の活性化に一定の効果があるとの認識が示されました。
 公契約条例は、発注者である市があらかじめ賃金を積算しその額を代金に含めるので、いわゆる不当なピンハネを防止する条例であり、受注者に新たに負担を強いるものではありません。川口議員は、この条例は公共事業や公共サービスの質の向上と地域経済の健全な発展をはかりそれにより住民福祉の増進に寄与することを目的にしており、地方自治の原則に基づくもの。2006年に本市議会で公契約に関する意見書があがったこともあり市民の願いに応え条例制定を検討すべきではないかと迫りました。 市長は、「現行法制度で対処すべき。労働者の賃金や労働条件の確保は国の法令でやるべき」と従来の主張を繰り返し、後ろ向きな答弁を行いました。

ページのTOPに戻る