新学校給食センターの問題点
川口ともこ議員の一般質問 その2
調理を民間委託にして偽装請負が指摘され、直営に戻した自治体もあります。埼玉県のある自治体では、労働局から是正指導を受け、事業者の学校給食水準維持向上のための研修責務や調理員の健康診断の細菌検査結果報告を削除、調理業務完了報告書に対する確認も削除。さらに施設設備の衛生管理や調理作業を詳細に定めた調理業務作業基準も削除しました。
川口議員は、衛生管理や調理業務の責任を民間任せにすることは、学校給食法に照らして問題ではないか教育長にただしました。
教育長は、「学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に資するもので、食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要。民間委託する場合、適正に実施されているか確認することは重要」と答えました。
調理員と栄養士の関係
本来、学校給食の調理員と栄養職員の職務内容は、どのように規定されているのか聞きました。
学校教育部長は、「調理員は学校栄養職員の指導を受けて、調理業務に従事すること。栄養職員は、学校給食の調理・配食及び施設設備等に関し、指導助言を行なうこと」と答弁。調理員と栄養士とは、切り離せない密接な関係にあります。
委託で技術継承・安全問題
同議員は、一度食中毒が発生すれば、原因究明も含め請負業者との責任のなすりあいであいまいになる。教育の一環としての学校給食を考えたとき、民間委託で公的責任が果せるのか疑問だと指摘。さらに川越市の給食調理を民間にお願いしたほうが、人間教育のために優れているといえるのか教育長にただしました。
教育長は「民間委託しても市の公的責任は果せる。食育に関しても…直営と委託の違いによる差はない」と驚きの答弁がありました。
実際に調理委託されている栄養士の話では、調理員が長く働くことができず、調理技術向上や継承、安全衛生管理に問題が生じていることを紹介しました。
学校給食のあるべき姿とは
川口議員は、今は食育を充実していくとき。調理員も栄養士と一緒になって子ども達に調理の仕方や工夫、苦労した点などを教えるような人間的な関わりが求められている。このことができるのも直営ならでは。子どもたちのためにも、PFI事業による調理委託の再検討を求めましたが、教育長からは前向きな答弁は得られませんでした。