生活保護引下げは困窮広げる
かきた有一議員の一般質問
政府は新年度に生活保護基準を大幅に引下げるとしています。主な内容は、生活扶助の引下げ、就労支援の強化、不正受給への厳正な対処、医療扶助の適正化などです。生活保護の基準は他の多くの制度の基準にもなっており、引下げが行われれば市民生活の水準の引下げにつながることから、かきた有一議員が一般質問しました。
基準の見直しについて考え方をただすと、生活扶助については、デフレで物価下落が顕著であったため大幅な引き下げとなるが、激変緩和措置で平成25年8月から3年かけて段階的におこなうと答えました。
かきた議員は、物価が下がったというが、円安で燃料や光熱費などが上がり、増税・負担増で支出は逆に増えている。引下げは困窮者の生活をますます苦しめる。国の引下げ決定の経緯を見ても、専門家の意見を無視した乱暴なやり方で、デフレもさらに加速すると指摘しました。
利用できなくなる制度も
生活保護基準は、市民税の非課税限度額に影響し、これを参照する多くの制度に影響が及びます。市は、25年度は影響はなく、26年度以降の税制改正をふまえての対応としています。また、市独自の事業として、保育料の減免、国民健康保険一部負担金の減免、介護保険料、就学援助などへの影響を示しました。
必要な人が利用してない
市民税非課税の方が約8万8千人いるなど市民の多くは低所得です。厚生労働省の統計をみても必要な方の3割程度しか生活保護を利用していません。この状況を放置して基準を引下げるのは本末転倒と指摘し、認識を問いました。市は「生活保護を受けずに生活している人の多さを認識している。申請の意思が示された場合、申請権を侵害しないよう努める」と答えました。
就労指導に従わないと保護廃止も
今回の見直しでは、就労の指導が含まれています。市は現在、意欲の高い人には就労支援相談員を活用し、ハローワークへの同行など支援や県のチャレンジ事業の活用。意欲の低い人には意欲喚起事業のカウンセリングやセミナーなどをおこなっています。
就労指導への考え方についてただすと市は、就労指導に従わない場合は、口頭指導、文書指導し、度重ね改善されない場合は生活保護法に基づき停止・廃止も検討する。廃止した場合でも要保護性があることから、就労による自立の意思が確認できれば保護の再申請を認めると答えました。